演劇「恋愛戯曲」を見てみた

前にチケットを取った演劇,「恋愛戯曲」を見てきた。


テレビでしか見たこと無かった鴻上尚史が,いきなり入り口であいさつしてて,ちょっと感動。憧れの人を見れたような感じ?で妙にうれしかった。男の俺が男を見てうれしいとはなんとも不思議な気分やけども。


芝居は,主演の牧瀬理穂が,下ネタを連発しつつコミカルかつ大胆に,物凄い体当たり演技をしてた。「げげげっ,牧瀬理穂ってこんなことできるんや?こんなキレイな人が何の色気も出さず卑猥な言葉を連発しちゃっていいんかいな…」,っていう感じで最初はやや引き気味に見てしまった。いろんな意味で凄い演技やった。何しろ本格的な演劇なんか初めてなので,まずそこにかなりの衝撃を受ける。


そして,舞台で間近で役者が生々しい演技をやってるっていうことが凄く新鮮やった。プロの役者っていうのが,見られること・見せることにこんなに長けてるんか!すんげー!とビックリしたわけです。伊達に役者として生活してないな。上手い。もちろん物凄く厳しい練習をしてるのはわかってるけど,舞台では一つ一つの動作が安定してるというか優雅というか。人前に出てプレゼンしたりする機会があるなら,絶対こういうのを意識すべきですな。相手に与える印象が全然違うはず。今んとこそんな機会ないけど。


やっぱどんな道でも一流のプロからはイロイロと感じるものがあるなぁ・・・テレビ見てただけじゃなかなかわからんもんな。この人らの生活は自分と全然違うんやろな,と想像を膨らませてみる。


で,肝心のストーリーに対する感想は…


正直,なんかよくわからん。面白くなかったっていうんじゃなくて,なんか理解しきれん。アンケートに感想を書く欄があって俺なりの解釈とかを一言書いてみようかと思ったけど,あまりにもなにを書いていいか分からんかったので,結局出せんかった。無念である。


整理のために気になったとこを箇条書きにしてみる。

  • やたら下ネタが多いのがギモン。表現を引き立たせるためには,オブラートに包むんではなく,露骨にやらんとだめなんやろけど,それにしてもチョットやりすぎな気はした。なんか言葉が今風過ぎて,解り易くておもろかったけど,ややチープに思えてしまった。演劇ってこんなもんなんかな?
  • テンポが速くてちょっと混乱する。このストーリーでは,考えられる限りの恋愛にまつわるいろんな要素(愛のあるセックスとは?仕事ならなんでもできるのか?とかその他イロイロ。一言でまとめると怒られそう)が盛り込まれてるようで,それが一気に出てくる。そして,場面がホイホイ切り替わる。なので,ついていくのがやっとで,じっくり考えながら見るという余裕がなかった。何回か見んといろいろトピックを逃しそう。とりあえず,本を読んで復習してみよう。
  • 凄くよく練られた話の構成やと思った。同じようなシチュエーションの中で,3つのバリエーションを同時に,そして自然に進行させていってるっていうとこが非常に上手いと思った…って自分で何言ってるか良く分からんけど,とにかくよく出来てる。
  • 大和田美帆がカワイイ。凄くカワイイ。なんかムチムチしている。今後要チェックである。

というわけで,この恋愛戯曲では,感動とか意表を突かれてビックリして楽しめたってことはあまりなかった。誰でもわかるように,めちゃめちゃおもろかったっていうわけでもないし,おもろくなかったっていうわけでもない。まー鴻上尚史のエッセイに「解釈の仕方がイロイロで,いろいろ考えられるのがいい芸術である」って感じのことが書いてあったし,そういう意味ではこれからいろいろ考えられそうで,面白かったんかも。


ただ,これからもっといろんなタイプの演劇を見てイロイロ比較してみようと思った。演劇の宣伝をいっぱいもらったんやけど,これがまたどれも濃い役者と濃そうなストーリーばっかで,ネタにはこと欠かんと思われる。とりあえず,趣味として演劇鑑賞を追加してみる。